副業がしたい薬剤師さんに特におすすめしたい仕事の一つに「ライティング」があります。ライティングといっても色々な仕事がありますので、ここで一例を紹介していきます。

自身の経験を生かしたライティング

自身の薬剤師としての意見を生かしたライティングの仕事の一つに、人材紹介会社のサイトや人材紹介会社を紹介しているランキングサイトで転職成功事例や人材紹介会社を利用した際の印象(良かった点・悪かった点)などを書く仕事があります。人材紹介会社も、ランキングサイトを運営している会社も、薬剤師さんの生の声を書くことを重視しており、良かった点だけでなく悪かった点、改善してほしいことなどを広く集めてサイトに掲載したいと考えています。この仕事は、調べものをしながら書くような手間のかかる仕事ではないので、比較的に簡単にできるのではないかと思います。転職回数が多い方、複数の人材紹介会社を利用したことのある薬剤師さんにとってはトライしてみるべき仕事の一つと言えるでしょう。

インタビュー記事

薬剤師業界、製薬業界のインタビュー記事のライティングはもちろんのこと、恋愛、音楽などのエンタメ系、キャリア系のインタビュー記事の仕事もおすすめです。正直、聞き出す力、インタビューの流れを読み・まとめる力は、すぐにつくものではなくインタビュー記事をこなしながらスキルを少しづづ蓄えていくしかないので、簡単にできる仕事とは言えません。しかし、人の話を聞くのが好きな薬剤師さんや書くことが苦にならない薬剤師さんであればできる仕事です。

インタビューの仕事は自身で企画を考え、記事の構成、フォトグラファーの選定(あるいは自身で撮影)、執筆までするケースもあれば、すでに取材する方が決まっており、インタビューをして書くのみのケースもあります。執筆後は、編集者からの修正指示などがあり、校了が出るまで何度でも書き直す必要があります。ライターとしてある程度のネームバリューが出れば、そこまでうるさく言われることはないと言いますが、修正については編集部の方針によるところが大きいでしょう。インタビューした相手が伝えたいこと、その媒体としてフォーカスしたいことが記事の中で魅力的に書かれているか、その記事を読んだ後に読者に伝えたいことが伝わる記事なのかなどに注意することが大切です。

医薬品やOTC医薬品などに関する記事のライティング

製薬会社や医療関連の本を出版する出版社、薬剤師にまつわる情報サイトを運営する会社、人材紹介会社が運営する薬剤師のサイトなどで医薬品やOTC医薬品に関する記事を書く仕事があります。

医薬品やOTC医薬品に関する記事のライティングというと、”メディカルライター”という仕事が頭に思い浮かぶ方も少なくないはずです。

そもそもメディカルライターの仕事には、治験の報告書、各種学会のレポート、医薬論文の執筆、医薬品に関するパンフレット作成などがあり、メディカルライター自身の専門によって手掛けられる範囲が異なります。

薬剤師さんの副業として仕事をする場合は、その方の知識量の深さや英語力などによってできること、できないことがあるので自身の専門分野に沿って仕事を請負ましょう。

英語力があるのなら翻訳業務なども

英語力がある薬剤師さんであれば、医薬品関係学術文献の著書抄録の翻訳や、国内外の医薬品安全性情報に関する評価 ・文献の翻訳等の仕事ができます。その他にも治験関連の仕事では文献調査、翻訳などの仕事もあります。経験やスキルが高ければ、薬局のアルバイトよりも高い時給で働けるので、短期間で稼ぎたい人にはおすすめです。

美容・健康サプリメント記事のライティング

医薬品以外にも美容・健康のためのサプリメントに関する記事を書く仕事もあります。美容・健康サプリメントを販売しているECサイトからの依頼がメインとなります。サプリメントを販売するEC業者の多くは少数精鋭の組織が多く、担当者がいくつもの仕事を兼任していることが多くあります。ECサイトの仕事にはランディングページやバナーの作成・効果測定、店舗でのプロモーション施策、雑誌への出稿やポスターの作成などのマーケティングはもちろん、カスタマーサポートや物流部門など様々な仕事があります。数ある仕事の中でも記事の作成に関しては外注することが比較的に容易なため、ライティングの仕事を探している薬剤師さんはチャンスかもしれません。

医薬品などの記事は広告表現に注意

医薬品医療機器等法では「医薬品等に関する広告規制」をしています。2017年9月、15年ぶりに医薬品等適正広告基準の改正が行われました。不適切な広告表現に関する基準として「効能効果等を誤認させるもの」「過量消費・乱用助長につながるもの」「品位を損なう内容のもの」「科学的根拠に乏しいもの」とし、「医薬品等適正広告基準の改正について」という資料において理念や基準が策定されています。細かなルールについては「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」という資料に記載されています。

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(=医薬品等)の記事の作成をする場合は、必ず目を通しておきましょう。なお医薬品医療機器等法に注意をしながら記事を書ける人はごく限られているため、知識さえつけてしまえばその道のプロになれる可能性もあります。記事の報酬にも影響が大きく出てくるので、その辺も考慮しながら仕事を探してみると良いかもしれません。

薬剤師が副業としてライティングをするメリット

薬剤師さんが副業としてライティングを選ぶメリットは在宅で仕事ができることにあります。パソコンとネットのある環境さえ整っていれば自宅に限らず旅先などでもできてしまうので、自分のペースで仕事ができるでしょう。特にお子さんのいるママ薬剤師さんにとっては良い副業の一つかもしれません。調剤薬局や病院での仕事のように患者さんがきたらすぐに対応しなければならないことは全くないので、自分の空いた時間に仕事を進めることができます。

そして、記事作成をする際にはWordやExcelといったOfficeソフトを使うだけでなく、Chatwork(チャットワーク)やSlack(スラック)などのコミュニケーションツールを使うこともあります。普段、調剤薬局や病院、ドラッグストアで働いている薬剤師さんにとっては多少ではありますが、PCスキルをつけるきっかけにもになるでしょう。

薬剤師が副業としてライティングをするデメリット

薬剤師さんが副業としてライティングをするデメリットとしては、報酬が時給制ではないことがあるため、どんなに時間をかけて仕事をしたとしても報酬に還元されないことにあります。ライティングが未経験の方にとってははじめは厳しいかもしれません。しかし、ライティング力が向上し、読者や発注者にとって良い記事がかけるようになればなるほど、1本あたりの記事の単価が上がります。ライティングの仕事は向き、不向きがはっきりしているため、向いている方にとってはキャリアを積めば積むほど報酬があがるだけでなく、仕事の種類や量も増えてきます。反対に、コピー&ペーストをしたり、きちんとした事実を調べずに書いたり、内容が薄い状態で発注側に納品したりすると、トラブルにつながるだけでなく、二度と仕事を依頼されなくなってしまうこともあります。ほんの少しの安易な気持ちが大きな問題を引き起こすこともありますので、その辺に注意しながら仕事をしていきましょう。

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